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オオクワガタの精子競争

前回記事とコメントに関して何点か訂正があります。
精嚢⇒受精嚢
後からの交尾が有利優先の記事について:ビークワ23号⇒36号
ミツバチの女王蜂が100頭に1頭の割合で無精卵を産む⇒割合に関する根拠の記事が曖昧のため削除

さて、本日の本題です。
前回読者より、昆虫は♀に新しい精子が入った時点で前の精子と置き換えられるという専門家の意見があることを提示頂きました。
その根拠となる書物が昆虫生物学ということで、早速取り寄せました。
昆虫生物学表紙
この本の15ページに精子競争に関する記述がありましたので紹介します適応戦略
私が読んだ限りでは、昆虫の種類により違うためオオクワガタでの精子優先度を調べる必要があり、各交尾での精子量でも違うようなので、後の交尾で注入された精子で完全に置き換わるとは言い切れないようです。
交尾時間が長くなるほど精子優先度が高くなることはまちがいないようですが・・・。
やはり、完全に産み切らせて受精能を空にする必要があると思います。
この昆虫生物学という本ですが、せっかくなのでもう少し読んでみることにします。

あとビークワの記事も添付しておきます。
交尾の法則
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[ 2011/06/04 20:36 ] ペアリング | TB(-) | CM(-)

ペアリングの考え方

みなさん、こんにちは。
最近、1♀に異なる2頭の♂を交配することに対し混乱が生じているようですので、私の考えを書き留めておきます。
私のところにも以下のような質問がありました。
「ペアリングをして産卵しなかった♀に異なる♂をペアリングした場合、表記は無産地となるのでしょうか?」

この場合、異なる♂といっても久留米では引き続き久留米の♂を選択するのが常識で、久留米♂×久留米♀はどこまでいっても久留米産、能勢YGに能勢YGを交配しても同様ではないでしょうか?

ただ、ペアリングに関しては、昆虫の受精メカニズムとこれまでこの世界で行われてきた事例も踏まえておく必要がありそうです。

まず、昆虫の受精ですが、♀の腹の中に卵ができ♂との交尾で受精すると思っておられる方もいらっしゃるようですが、そうではありません。
昆虫は、交尾によってまず♂の精子が♀の受精嚢に一旦貯蔵され、産卵時にその受精嚢から精子を小出しにして受精させながら産卵するシステムになっています。
昆虫の受精のポイントは、交尾の段階ではなく産卵時に行われ、しかも受精が完全に♀の管理下におかれていることです。
昆虫の中でも女王蜂などは、その制御能力に優れ、意図的に受精を制御して無精卵をつくりだすことが出来ます。無精卵を意図的に産み、それが数少ない♂となり、ほとんどが受精卵として♀になります。

さて、クワガタに話を戻しますが、産卵しない事例では交尾行動の有無もありますが、精嚢への精子の注入成功の可否もあると思われます。
クワガタも一旦精嚢に精子をストックしてしまえばそれを使い切るまで産卵し、もし途中で産卵環境から離し冬眠させたとしても、翌春になり産卵環境さえ整えば再び未交尾でも産卵を再開します。
しかし、産み切った場合は、再ペアリングによる精子の再注入を行わなければもう卵を産むことはありません。

以上の産卵メカニズムと経験則を基に、これまでオオクワブリーダーが行ってきた事例を紹介してみますが、どれかはみなさんも心当たりがあるのではないでしょうか・・・?

1.有名血統で産卵に使用済の♀をオークションに出品した。あるいは落札して手持ちの♂と同年もしくは翌年ペアリングして採卵した。
以前は、このパターンがオークションで頻繁にみられました。
ペアリング相手の♂がすごいので、産み残しを期待して高値で落札されていました。

2.2年連続して同じペアでペアリングする予定だったが、翌年♂が★となったため他の♂とペアリングした。

3.初年度のペアリングで成績の良くなかった組み合わせについては、翌年♂親を変更してペアリングした。

4.ワイルドの♀を入手したが産卵しなかったので手持ちの♂で追い掛けした。

5.ワイルド♀が持ち腹だったため採卵し、翌年は手持ちの同産地の♂とペアリングした。

6.知人に優良な♂で種付けしてもらい産卵させたが失敗したので手持ち♂で再ペアリングした。または、その年は成功したので、翌年は自分の手持ち♂とペアリングした。

7.複数の♀との交配で失敗した♂を種無しと判断し、同年それらの♀に違う♂を使って再ペアリングした。

他にも似たような事例はあると思いますが、♀というのは幼虫をたくさん採るための貴重な存在であるため、ほとんどの人は2年以上使用するはずです。その途上では上記のような事例が起きて当然です。
私は、日常的に行われてきたことであると思っています。

ただ、そこで問題となるのは、飼育者の管理体制ではないでしょうか?
上記の行為は、産卵経験のある♀では完全産み切りとなったことを確実に確認すること、ペアリング失敗例では、産卵セットを充分に確認し交尾不成立を確定させて次の段階に入ること重要となります。
そこをいい加減に行うと、無産地にはならないまでも系統図の信頼性を損なうことになるでしょう・・・。

私は上記の事例では、3番をやったことがあります。
それは、次年度にレベルアップした種親♂を入手し、成績アップを狙ってのことです。
実際、WK-07とWK-08の♀は同一ですが、2年目の♂をメルリン4番血統に変更しました。
効果は歴然!初年度でほとんどが78mm前後で最高80mmちょっとだったのが、変更した途端に多くが80mmを超え最高は83.2mmが羽化してきました。
また、コクワガタ飼育においては、5番の例を行っています。

ただし、私の場合、♂親を変更する時の確認は半端ではありません。
産卵セットで10日以上放置し、その後産卵木を小さく割り、血眼になって卵確認を行ってきました。
それは、自身で構築し作り上げてきた系統図を曖昧なものにしたくなかったからです。

以上が、私のペアリングに関する見解とこれまで行ってきたことです。

10年前頃は、○○県産までの表記でやり取りされていました。
最近では、詳細産地、きめ細かな系統図などが表記されるようになり、逆にそれに縛られ窮屈に感じることもあります。
オオクワ飼育を血統で捉えるか品種として捉えるかでも方向性は違ってきます。
趣味のオオクワ飼育とはいえ、様々な考え方が存在して難しさを感じている今日この頃です。
[ 2011/06/01 14:03 ] ペアリング | TB(-) | CM(-)
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