既成ボトル重量の標準値と私が詰めた場合の標準パターンと固詰めパターンのボトル重量平均値を記載したところ、たくさんのご意見を頂戴し、視点の違いや見落としなども確認でき、大変勉強になりました。
ブログのコメント欄も、活発な意見交換の中で、有用な情報や建設的な提案が得られれば、より有意義なコミュニケーションの場となりますね!
これからも、私は思ったことをストレートに書きますが、遠慮なくコメントして頂ければ幸いです。
さて、本題です。
前回のコメントの中で、ボトル詰めの際、総重量を合わせても、中の菌床の詰まり具合の均一性を担保できないのでは・・・との意見が寄せられました。
その通りです。
いくら手の感覚で詰めたとしても、一回に投入した菌床の体積によっても手への感覚は違ってくることでしょう・・・。
圧力センサーを搭載した機器でも使わない限り難しいと思われます。
しかし、少しでも均一な実験サンプルを得るためにこんなことを考えてみました。
それは、最終段階で総重量を調節することが不均一の原因であるなら、途中に基準となるポイントを設置してみようと!

これは、800ボトルに水を400ml、600ml、800mlを正確に入れたものです。
青のラインまでに480gを詰めれば、密度は0.6g/ml(ボトル総重量560gの普通パターン)となりますが、それを3段階に分けて詰めてはどうでしょう?
まず、黒ラインまでに400×0.6g=240g、そこから赤ラインまでに200×0.6g=120g
このように詰めたらボトル内の均一性は向上するのではないでしょうか。
この場合、幼虫飼育空間を考えると、多くの場合は赤ラインより下であることから、240gと120gを用意して、2段階目までを正確に詰めればよいのではと考えています。
ちなみに固詰めでは、密度を0.7g/ml(ボトル総重量640gパターン)に設定して黒ラインまでに280g、次の赤ラインまでに140gとなります。
人間の手の感覚も熟練すれば捨てたものではないので、しばらくこの基準で詰めながら、手の感覚を磨いてみようと思っています。
昨日から以上のようなこと思索していましたが、そんな中、過去に他のバリエーションもWeb上で見かけたことを思い出しました。
例えば、初2令時に食べやすいよう下層には微粒子菌床を詰め、途中から中粒子菌床を詰めるとか、下層は固く詰めて通気性を損なわないよう上層は柔らかく詰めたりより粒子の粗い菌床を上部に詰めるとか、菌糸の回りをよくするため途中まで詰めて放置し日を空けて残りをつめるとか・・・。
これ以外にも添加剤を考慮すると、ブロックから菌糸ボトルを作製する場合、ボトルの中には菌床だけでなく個性も詰まっているようです(*^^)v
世の中には、こだわりのオリジナル菌糸ボトルを作製する職人気質のブリーダーも多くいらっしゃることでしょう。
「こだわり」と言うのは、独りよがりであったり、無駄であったりすることもあるかもしれませんが、趣味を堪能するための要素であることもまちがいありません。
もし、他人とは違うこだわりの中に、オオクワガタを飼育する上で有用な手法が隠されていたら、菌床詰めの魔術師と呼ばれる伝説のブリーダーが登場するかも・・・なんてことも考えてしまいます。
仮説や個人的判断に基づいた単なるこだわりで終わらせるか、データという根拠に基づいた有用な飼育技法まで発展させるか!?
実は、ここが私の『こだわり』だったりします^^;
最後に、この記事を書いていて、個人的判断と言うか思い込みによるまちがい例を思い出したので紹介しておきます。
それは、「粗い目の菌床は通気性に優れている」という見解です。
この見解の拠り所は、「粗い⇒隙間が多い⇒通気性がよい」との理屈だと思いますが、次第にその隙は菌糸で埋め尽くされ強固な接着剤のように働きます。
微粒子菌床に比べ、時間の経過した粗め菌床が硬くなるのは、このことが原因だと思います。
2009年9月に行った実験ですが、私は微粒子と粗めの菌床を普通に詰めて、底の酸素濃度を経時的に測定したことがあります。
すると、最終的には、ほとんど差は出ませんでしたが、初期段階ではおもしろい現象が観察されたことを思い出します。
それは、菌糸の回りきるまでの段階は粗め菌床の通気性がよいだろう・・・と予想してスタートしましたが、実際は、開始24時間は明らかな低値を示しました。
これは、酸素が多く供給されたことで菌糸の活性が高まり、酸素消費量が増えたことが原因と考えられます。
余談でしたが、思い込みはまちがった方向への案内人となるだけでなく、新発見の障害ともなりますので、実践による検証作業をしながら進むという基本を確認し合いたいと思います。
以上、オオクワ界の検証好きのみなさん、よろしくお願い致します。
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