ブロックをビン詰めすると菌糸が活性化し発熱します。
貼付画像は昨年3月に行った実験ですが、25℃の環境で2種類の菌床を比較しました。これは、ブロックから詰めて4日後の状態ですが、ご覧のように菌糸の回りのよい右の方が高い温度を記録しています。
こんなところから、幼虫が動いて菌糸が活性化した場合にビン内温度が高くなると言われるようになったのでしょうか・・・。
しかし、1週間以上経過するとビン内温度は外気温とほぼ同じとなり安定します。
普段は幼虫も動かないことを考えると、ビン内温度が外気温より2~3℃高いなどと言う話には疑問が生じてきます。
温度勾配があれば、熱は高い方から低い方に移動していきます。
その際、発熱量と低い方に移動していく放熱量とのバランスが平衡に達したところで安定する訳ですから、菌糸ビンないで発生する熱程度は、ビン表面から逃げて行っていると考えられます。
では、もう一歩踏み込んで検証してみましょう!
上記の話は、菌糸活性の高い25℃環境でのことです。
20℃の低温環境で同じ実験をしたらどうなるでしょうか・・・・。
実際に行ってみると、菌糸が非常にゆっくり回り、最高記録温度も21℃でした。
また、低温飼育では幼虫は活動が鈍り居食い状態が多くなりますから、ビン内外の温度はほとんど同じと考えてよいでしょう。
このようにビン内外温度という一つの事例をとって見ても、温度によって結果は違ってきますから、検証してみないといけません。
【まとめ】
○幼虫が安定状態の場合、菌糸ビン内外の温度差はほとんどない。
○放熱能力は素材の厚みの影響も受け、必ずしもガラスがよいとは言えない。
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