今年は、クワ飼育に十分な時間をさけなかったことをお伝えしましたが、工夫して時間をつくり、いくつかの検証を試みています。
今年の検証テーマとしては
「飼育環境下の酸素濃度モニタリング」
「菌糸ビンの通気性の差が及ぼす飼育成績への影響」
「ビン交換サイクルと飼育成績に関する検討」
「初2令飼育時の1400ボトルの有用性について」
「床下環境を最大限に活かす菌糸ビン投入時期の検討」
などが挙げられます。
まとまった成果が得られるまでは、公開を控えますが、思っていたほどの差が得られなかったものや予想に反する結果となった項目もあります。
これまでの経験が先入観となり、正しい判断を狂わせることはよくあることですが、あらためて科学的検証によるデータの重要性を痛感しています。
さて、飼育成績の点で今年を振り返ると、6月に久留米で84.5mmが羽化し、来年への展望を広げることができました。
一方、今年度の幼虫飼育群では、久留米で35g級が出現し、悪くはないと思っていますが、アベレージには不満を残しました。
本物の大型血統であれば、平均が楽に30gを超えるハズです。
予想を大幅に下回った能勢においては、種親のグレードアップが急務と考え、現在改善計画を練っています。
ギネスをめざすに当たり、いろいろなことを考えた1年でしたが、最終的にたどり着いた私の結論は、血統の占める割合が10割ということです。
では、飼育者の技量は何なのか!?
それは、幼虫が秘める素質をどこまで引き出せるかということになります。
余談ですが、私は健康法と幼虫飼育に共通点を感じています。
ちなみに、健康法を聞かれた時、次のような回答をします。
人間は、ホメオスタシス(生体恒常性)によって、常に健康な状態を維持できるようにできています。
(遺伝、当然変異による先天的障害がある場合などは除いて)
その自己調節機能を最大限に発揮するには、バランスのとれた栄養、十分な睡眠、過度のストレスを回避だけの精神の休養、新陳代謝を促す適度な運動などがポイントになります。
要するに生活習慣の改善がすべてであって、健康食品、サプリメント、医薬品などに頼る必要はありません。むしろ健康被害の方が心配です。
「医薬品の使用は、生活習慣を改善する努力をした上で、それでもコントロール不能な場合に検討すべき!」が薬剤師としての私の持論です。
しかし、一般の人の多くは、健康のために何をしようか?、どんな健康器具を使おうか?何を食べたらよいか?どのサプリメントに効果があるのか?と血眼になって健康情報を求めます。
その心理をついたのが健康産業で、科学的根拠のない宣伝で多大な利益を上げているのが現状です。
テレビのコマーシャルを見ていると、「私はこのサプリを飲んで健康になりました」などとやっていますが、「健康」とはなるものではなく維持するものですから、根本的な考え方がまちがっています。
若い時は、恒常性を維持する能力が高いものの、年齢と共に低下していくため、年を重ねるにつれ年齢に合った生活を心がけることが重要となります。
私の健康法は、薬に頼るのではなく、生活習慣の改善により本来の健康維持能力を保持すると言いましたが、具体的には、暴飲暴食、朝食を抜く、添加物を多く含むインスタント食品や加工食品、睡眠不足、過度のストレス、不規則な生活、運動不足、過度のアルコール、タバコなどのマイナス要因をいかに減らすことができるかということになります。
話をオオクワ幼虫飼育にもどしましょう!
多くの人が、幼虫を大きくするために何が必要かと、プラス要因にばかり目を奪われます。
温度は何℃がよいか?何を添加剤するのがよいか?何%添加するのがよいのか?菌糸ビンはどう詰めるのがよいか?何日で交換したらよいか?何月から開始するのがよいのか?など・・・。
私の場合は、健康維持の場合と同じように、何が悪いのかをまず考えます。
幼虫の成長に悪影響を与える要因を抽出し、それら一つ一つを改善するだけでも、確実な進歩が望めるはずです。
本年のブログは、これで最後となりますので、次の言葉で締めくくります!
「幼虫の血統素因が100%!マイナス要因を排除し素質の100%開花を!!」
年末年始の時間のある時に、みなさんも引き算となる要因について考えてみられてはいかがでしょうか?
上達へのヒントが見つかるかもしれません。
そして、血統がよければ、来年まちがいなく結果が出るハズです。
それでは、みなさん、よいお年を!
スポンサーサイト