早期羽化の記事で安易に素質に触れたことをちょっと後悔しています。
限られた文章により誤解を招いているかもしれませんので補足させて頂きます。
ここでいう「素質」は、大型化の素因のつもりです。
記事では、私が当たりラインとなる素質を持った♀を判別して強制早期羽化させているような印象を与えてしまいそうですが、あくまで確率的に高いと判断しているだけで、正確な判別法や目利き能力がある訳ではありません^^;
これまでも♀の素質をどうやって判別するか?との議論がなされてきました。
サイズが大きいことは当然として、大アゴの太さ、成虫の頭幅、幼虫時の頭幅など・・・。
極太時代は、成虫の厚み、頭部のザラザラの出方、上翅の筋の出方など、その根拠を疑うようなことも言われていました。
しかし、現在に至っても決定打は出てきません。
1♂に対して♀を複数ペアリング(♀同志は同腹)してみればわかりますが、♀には53mm級の同サイズを選んで交配しても、その結果に驚くほどの差が出ることもあります。
要は、サイズで選別しても個体差によるハズレを避けられないと言うことです。
しかし、種親の♂♀共に大きい方が有利との認識は存在しています。
(♂に関しては83mmを超えると青天井式に直仔のサイズアップにつながっていないようですが・・・)
そのため、近年では、♀も手を抜かずに飼育し、最大サイズのものから優先して種親として複数使用し、当たりを引く確率を高める方法が採られる傾向にありました。
すると、♀が54mmを超えるようなものになると逆に採卵に失敗する例が増え始め、意図的に52~53mmで羽化するように飼育期間を調節する試みも出ています。
では、話を強制早期羽化に戻します。
外観が同じ♀を使用しても当たり外れが出るのはしかないこととして、私が当たる確率が高いと判断して強制早期羽化に選んだ個体のポイントをまとめてみます。
種親♀の資格は、第一に同腹♂に超大型が完品で羽化していること、第二に自体が大きいことです。
よって、♀だけが大きくなる血統に用はありません。
私が今年選んだラインは、866同腹という血統的背景に期待してのことですが、ここに来て半数以上が33gを超え、2頭が35gを超えてきたことで、同腹♂の大きくなる素質が裏付けられました。
では、最後までしっかり飼育しない♀のサイズをどう評価あるいは予想するのか?
だれもが幼虫体重と思いますが、問題はここです。
飼育過程で、14gと16gの♀幼虫がいて、羽化サイズが逆転することはよくあること!
ここで、私がデータ的な根拠を基に採用した手法は幼虫頭幅です。
同腹内の幼虫では、幼虫時頭幅が大きい方が大きく羽化する確率が高いことがわかってきました。
今回50.5mmで羽化した個体の選別には、体重16.7gという情報に加え、3令幼虫時頭幅が11.0mmで最高であったことも加味しました。
個体差がある生命体を相手にしている以上、100%の飼育法は難しいと思います。
しかしデータ的根拠に基づく手法で確率を高めていくことは可能なのではないでしょうか?
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