昔に比べると菌床の売れ筋銘柄も変化してきています。
ブログの普及で情報量が増え、実績のあるものが選ばれるようになってきたこともあると思います。
安全に大きくできることが選択基準の第1位に来ると思いますが、価格を考慮したコストパフォーマンスや安定供給もポイントになるのではないでしょうか?
では、菌床の適正使用を考えた場合、各人が最も効果的な使い方ができているのでしょうか・・・?
この点も私が思案している事例の中のひとつです。
それには、管理する温度、詰め方、交換サイクル、添加剤の種類などもありますが、単にそれだけではありません。
エサ慣れの考慮、飼育途上での銘柄変更などは、どうなのでしょう・・・?
影響が出るのか出ないのか??
まず、エサ慣れですが、3世代を同じ銘柄で飼育した方が大きくなると言われています。
また、高添加剤の菌床でエサ慣れをさせれば、次世代はその高添加剤の環境に順応させて幼虫を大きくする飼育戦略も試みられています。
一方、途中での銘柄変更に関しては、よくこんな論調で説明されることがあります。
「途中で変更しても大きく羽化してきたので特に問題を感じない!」
しかしこれは、「親はたばこを吸っていたが、90歳まで生きたので、たばこに問題を感じない」との意見によく似ています。
結局、どちらも主観的な判断によるため正しいとは言えません。
上記の例では、途中変更しなければもっと大きく羽化したかもしれないし、たばこをやめていたらもっと長く生きることができたかもしれません。
やはり、客観的なデータに基づかない限り正しい判断とはなりません。
実は、このような主観的判断は、クワガタの世界では多く見受けられ、「卵での割り出し」「バクテリア継承のための手技」「産卵材の種類」などが羽化サイズに与える影響に関しても、最終的に良い結果が得られたことで問題なしとの結論に至っています。
多くのサンプルを使ってデータ採取を行い、数学的統計処理による検定まで行って有意差を示すことは難しいと思いますが、せめて同じ条件での比較対照群を置いてのアプローチが必要だと思います。
所詮、個人で出来ることは知れていますが、少しでも正しい検証スタイルで日々取り組むことが大切ではないでしょうか?
私は、今年の使用菌床のほとんどを♀親が飼育された銘柄と同じものに合わせ、途中での銘柄変更なしで行く予定です。
それは、よいと言われることは積極的に取り入れるスタンスであることもありますが、来年の3世代連続群と非連続群の比較試験の下準備も兼ねています。
オオクワ飼育は簡単で、飼育法もほぼ確立されてきたと思われていますが、エビデンスはまだまだそろっていないと思います。
少しでも最善の飼育法に近づきたい!そんな思いでいます。
スポンサーサイト