最近、よく耳にするようになった「エサ慣れ」という現象は、どのように理解し対応して行けばよいのでしょうか?
大型作出に影響を及ぼしそうでそうでもなさそうなこの現象・・・。
その証拠に、次世代の菌床選択で必要以上に悩んだり飼育途中での銘柄変更を控えようと思い始めるブリーダーが出始める一方で銘柄変更など全く気にすることのないブリーダーも存在します。
このまま前者が増えていくと、ブリード自体が窮屈になってしまう方も増加することが懸念されるため、エサ慣れの本質がどこにあるのか私なりに思っていることを紹介してみることにしました。
明確な根拠を持っての記事ではないため、一個人の意見として読み流して頂ければ幸いです。
実は、この現象は西暦2000年前後の発酵マット飼育から菌床飼育への移行期にも注目されていました。
当時は、まだ菌床が高価である上に品質にも問題があったため、発酵マットでの飼育も盛んでしたが、次第に菌床飼育の威力が証明されるようになり一気に普及しました。
その際、2世代の継続使用によって菌床に慣れさせることで、より大きく成長するようになると言われていました。
こうして振り返ってみると、発酵マット⇒菌床への変更が一般菌床⇒高添加菌床への変更に置き換わっただけで、最近の話題に類似しています。
私は、菌床飼育が普及後は、その銘柄間でエサ慣れ現象が出現するとは思っていませんでしたし、現に近年までそんなことは大きな話題になっていないように思います。
私自身は、1年半前のビークワ40号に掲載されたことを機に少しは意識するようになりましたが、最近では特に高添加の菌床を販売する業者からエサ慣れを意識した情報が発信されているようにも思います。
これまでの情報を吟味してみるとスッキリしない点も多くあります。
例えば、7~8年前に他の業者が「この添加剤を使うと最高体重が3gは違ってくる」と言って販売していましたが、問い合わせた際に慣れが必要であるなどと言われることはなく、添加すればすぐに結果が出ると言われました。
最近の業者の説明では、添加剤の多いエサに慣れない幼虫は大きくなりにくいが、その高添加菌床を使って累代を重ねて行けば、エサ慣れにより高栄養価のエサを効率よく消化吸収できるようになり、驚くほど大きく成長するというものです。
ただ、エサ慣れを発信する業者も毎年レシピを少しずつ変更しているようですが、これってどうなのでしょう?
また、こんな情報を流す業者もいます。
最初から高添加の菌床を与えて大きくなる♀に出会うことができれば、それは大型作出への近道であると!
果たして真相はどうなのでしょうか??
では、全国に情報発信されたビークワ40号の記事の内容はどうでしょうか?
ここでは、「エサ慣れ」という表現は使われていませんが、大型化を狙う菌床の使い方として「3代続けて同じ菌床を使おう」とあり、実際に筆者が3代続けて同じ菌床で飼育したところ大型化しというものです。
ただ、大型化の原因に関する考察では、小島氏の「親虫から有用なバクテリアの受け渡しがあるため、同じ菌床で累代を続けた方が大型化しやすい」という仮説に基づき、3代続けて同じ菌床を使用したことが大型化の原因であると感じていると結んであり、筆者の主観的考察であることがわかります。
確かに累代により大きくなった事実はありますが、累代過程ではより大きな種親を選別しながら進めていくため、バクテリア継承以外の要因を否定しきれません。
私が知るこれまでの経緯はこんなところです。
次回は、自身の経験や多数の幼虫を飼育されているブリーダーの飼育結果などの現実を踏まえて考えてみたいと思います。
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自分の使っている菌糸メーカーさんで1本目は高添加を入れています。
しかし2本目、3本目で同じ高添加で使って大きくなった成虫を複数♀ペアリングをしたら1本目で50%の★2本目で25%の★で結局ほとんど残らなかったそうです。
この親種1頭ならそうですが数頭同じ事が起きたようです。
なので高添加=大きいは、もしそうなってもリスクがあると言う事でした。
♀から酵母を幼虫に受け継ぐと言う話も、クワ友さんの中で卵で割り出す人がいます。
卵で割り出す事によって、菌糸ビンの数量の予想が付きやすいようです。
卵から孵化した幼虫はすぐに菌糸ビンに入れられるため酵母の受け継ぎは疑問が残ります。
そのクワ友さんは86mmを羽化させたので、酵母の受け継がれも?付きます。
酵母は菌糸から摂取するので、受け継がれも関係ない?のか判りません。
菌糸飼育から10年は立つのでクワガタの中で何か体質が弱冠変わったのではとも考えています。