毎日新聞に掲載され、Yahooニュースにも載ったことでご覧になられた方も多いことでしょう・・・。
立命館大の本郷儀人講師=動物行動学=は、雄同士の戦いでノコギリがミヤマを圧倒し、森の餌場争いを制していることを要因に挙げておられます。
この見解の根拠となるデータは、ノコギリとミヤマの雄を実験用の餌台に置き、戦いをビデオに撮影して解析。
結果は、119戦で79対40。ノコギリがダブルスコアで圧勝したそうです。
その理由として、ノコギリは、大あごで相手を背中側から挟む「上手投げ」と、腹側から挟む「下手投げ」の2種類の技を使い分けるが、ミヤマは上手投げしか使えないそうです。
これは、ミヤマが自分の体の上からかぶさってきた相手を、大あごで挟むことができないことに起因するそうです。
この話題は、私が当ブログで2012年10月11日に紹介し、推奨した本郷博士の書籍に詳細が記載されています。
実験に興味のある方は是非!!
一方、国立環境研究所の五箇公一・主席研究員(保全生態学)によると、ミヤマは北方系のクワガタで高山帯を好み、幼虫は気温が25度を超えると死亡率が高まるのに対し、ノコギリは南方系で比較的高温に強く、「温暖化の影響でクワガタの分布が変わり、ノコギリがミヤマの生息地に進出しているのでは」と指摘。
また、クワガタの生態に詳しい荒谷邦雄・九州大教授も、温暖化の影響で西日本の平野部などでミヤマが減少していると指摘し、その上で「ノコギリが勢力を増す中、雄同士の餌場での戦いの結果が、ミヤマへのとどめになる可能性がある」との見解を示されています。
以上を総合すると、温暖化でミヤマの死亡率が高まると共に温度分布の変化でノコギリがミヤマの生息地域に拡がり、さらにエサ場争いでノコギリがミヤマを圧倒した結果ということになります。
このように研究が進むことで、より正確な見解に近づけることを実に興味深く感じます。
今日は、一流研究者よる自然現象へのアプローチに触れ、私のテンションもアップしてきたため、ここでも紹介させて頂きました。
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カブト虫の闘争に関しては林の中で実際に行ったそうですが、そのほとんどが角のつばぜり合いで終了するそうです。データを下に記述されていて納得しました。
ミヤマの減少については感覚的には気がついていましたが、まさか戦い方に起因するとは思いませんでした。しかし、ミヤマの減少はなんとも寂しい限りです。