次にこれまで受けた産卵木に関する他の質問を列挙し、私なりの見解を記載してみます。
【材の太さ】太いほど多く産卵するという訳でもないため、セット期間で太さを決定すればよいと思います。細い材でも複数本入れるか短期間で入れ替えれば問題ありません。
【樹皮を剥ぐかそのままか】比較してみても特に差を感じません。♀の材をかじる力は相当強く、樹皮があっても問題なく産卵します。
よって、そのままセットするのが効率的かと思います。
一方、♀の負担軽減に樹皮を剥いで、産卵痕のキッカケとなるキズまでつけるとのマニュアルをみたことがありますが、オオクワガタはそんなにデリケートではないのではと思っています←これは個人的主観
また、樹皮をつけておけばカビが生えにくいとの記載も目にしますが、この意見にも疑問を感じます。産卵を開始しなければ、樹皮をつけたままにしていてもすぐにカビだらけです。
【害虫対策処理】シイタケ栽培後の廃材などを使用するため、他の昆虫の幼虫や微細な害虫の混入リスクがあります。
対策として、長時間の水没、加熱処理などが行われてきましたが、水没では効果不十分であることがわかっています。
加熱処理では、熱湯に浸けたり、加水後に電子レンジ処理したりする方法が多く用いられるようです。
その一方で、せっかく材に寄生しているバクテリアを死滅させるため、加熱処理は行わない方がよいとの意見もあります。
そこで、バクテリアを死滅させることなく害虫を駆除する方法として「凍結法」があります。
ただし、この方法は冷凍庫を自由に使える環境でなければ、実行不可能ですが・・・
私は、過去に割出中に不明生物に遭遇したことがあるため、加熱もしくは冷凍処理を施します。
冷凍処理には場所と時間を要するため、最近は熱湯に浸けて終わりですが・・・
これによりバクテリアが死滅して悪影響を及ぼすとは思えないのですが・・・
【材をマットにすべて埋めるか一部だけ埋めるか】どちらでも問題なく産卵しますので、無駄にマットを多く使用する必要はないと考えます。
有名な発酵マットには、マットにも産卵させる能力があるようですので、そのような環境をつくれるのであればマットにしっかり埋め込む方法もよいかもしれません。
【マットの種類】普通に考えれば発酵マットが適していると思いますが、実際は何でもOKです。
オオクワガタの♀が産卵するのは、基本的に材の中ですから!
極端なはなし、キッチンペーパーの上に材を置いただけでも産卵するでしょう!
【縦置き・横置きどちらがよい】どちらでも問題なし。
【複数本入れた方がよいか】よく、好みによって産卵しないことがあり、それを回避する目的で複数本入れた方がよいとの記述があります。
私は、産卵行動をとらない場合は、材ではなくそれ以前のペアリングに問題があると思うので、1本しか入れません。
【産卵誘発物質の使用】もう十数年前のことですが、産卵木の表面にグルタミン酸を混和した水を噴霧することで産卵が誘発されるとされ、試した人の中には木がカビだらけになる事例がありました。
基本的に、交尾行動を終えた♀は子孫を残そうと意欲的に産卵環境を探して行動に入ります。
無理に誘発物質を使用する必要はないと考えています。
近年流行ったFe3+は使用していないので、私には有用性が分かりません。
飼育を始めた頃と言うのは、些細なことが気になるものです。
私も駆け出しの頃、産卵木にカビを発見した時は焦りまくりました(笑)
幼虫が採れれば大成功!
そこに至る過程には、特にこだわる必要なしというのが私の考えです。
先に産卵記事を書いてしまいましたが、その前のことにも触れておく必要がありますねっ!
次回は、冬眠からの覚醒とペアリングについて書いてみます。
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