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幼虫飼育環境の酸素濃度について考えるⅣ-ボトル内酸素濃度推移と形状による差異-

前回は、菌糸ボトル内の酸素濃度測定方法を紹介しました。
今回は、菌糸ブロックを空ボトルに詰めてからの経時的な酸素濃度推移とボトル形状による差を紹介してみます。
この実験に用意したものはこのようなものです。

酸素測定ボトル比較

右2本は通常の800ボトル、左端は800ボトルよりは口が狭く少し深い850ボトルです。
800ボトルを2本準備したのは、フタやフィルターを変えて比較するためです。

まずは、800ボトルの菌床詰め後の経時変化です。
24~25℃管理下では、詰めた直後から菌糸活性が高まり多くの酸素が消費されるため、10時間前後までは一気にボトル内酸素濃度が低下することを確認しています。
これまでの幾度かの実験で最低値は9時間前後に訪れ、その時点では12%前後となることを確認していますが、画像が残っていませんでしたので、12時間後→5日後→7日後の測定結果を示します。

◆12時間後
PP800_12hr.jpg

◆5日後
PP800_day5.jpg

◆7日後
PP800_day7.jpg

これ以後は、ボトル内酸素濃度は18%台で安定しましたが、この実験ではオガを柔らかく詰めています。
ハンドプレスで少し固く詰めても1%以上の低値を示すことを確認しています。
近年の高性能プレスマシンを使えば酸素供給量は恐ろしく低下することでしょう・・・。
固く詰めすぎると、死亡率上昇、大きくならないなどの現象がブリーダーによって実証されていますが、酸素要因も関与していると思います。

では、形状やフィルター構造の異なる850ボトルではどうでしょう・・・。

◆12時間後
PP850_12hr.jpg

前回、「驚きの事実」と書いたのはこのことです。
まさかこんなに酸素供給能が低いとは・・・

◆2日後
PP850_48hr.jpg

5日後がなかったため2日後を掲載しましたが、12時間後に比べるとかなり回復していました。

◆7日後
PP850_day7.jpg

これでほぼ安定し、以後15%を超えることはありませんでした。

最近では見かけなくなった850PPボトルですが、①口が狭い②フィルターの通気性が悪い③ビン底までが800ボトルより深いなどの要因が重なるとこれほどまでの差が出ることがわかります。

以上の実験は2008年に行ったものですが、当時自分なりに納得したエピソードを紹介してみます。
2004年にマツノインセクトから84mmを超える久留米産が昆虫フィールドに掲載され、菌床「オアシス」が脚光を浴びることとなりました。
ただし、高額であるためなかなか庶民には大量使用が厳しい状況でしたが・・・。
私も使ってみたい思いに駆られ2006年に購入しましたが、その際に1本目として850PPとマヨビン1000のどちらがお勧めかを松野店主にメールで質問しました。
回答にはこう書いてありました。
「自身だけでなくお客さんのところの成績をみても、なぜかはわかりませんがマヨビンの方がよい結果です。」
その時は、私もなぜだろう・・・と思案しましたが、2008年のこの実験結果が答えではないかと思っています。

酸素供給の重要性を認識した私は、他にもフタやフィルターの差異による内部酸素濃度への影響も研究してみました。
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[ 2018/10/11 00:12 ] 観察&考察 | TB(-) | CM(2)
大きさ詰め方で違いが出るのは当然でしょうが驚きです、またフィルターの種類、換気孔でも菌糸瓶内部では酸素濃度が違ってくるのですね。
ただあちこち換気の為に菌糸瓶に穴を空けても菌糸の劣化や水分量の低下も問題になりますよね。酸素濃度が問題と言われていた事が良く理解できました。自分のブリードにどう活かすか考えねばならないですね。
ありがとうございます。
[ 2018/10/11 15:34 ] [ 編集 ]
コメントありがとうございます
alpsミッキーさん

はじめまして。
コメントありがとうございます。
最近は、コメントを返信する余裕もなく、コメント欄を閉鎖しているつもりでいましたが、できる設定だったようです。

おっしゃるように、通気性をよくすれば乾燥が負の要因となります。
温度管理空間も保温のために気密性を重視すれば通気性が失われます。
オオクワ飼育環境は、どこでバランスをとるかが問題です。
[ 2018/10/13 21:10 ] [ 編集 ]
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