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幼虫飼育環境の酸素濃度について考えるⅤ-ボトル内酸素濃度に関する補足1-

前回までは、ボトル底部にフィルムケースで空間を確保し、そこを幼虫が存在する仮想空間に見立て酸素濃度推移を追いかけてみました。
当然のことですが、ボトルのフタの通気性に相関して仮想空間の酸素濃度は高くなります。
そのため、フィルターの材質を通気性のよいものに変更する、通気口の穴の直径を広げるなどの工夫によりボトル内酸素濃度を高めることは可能です。
しかし、それをやり過ぎれば菌床の保湿性が低下し、菌床の乾燥が幼虫の成長あるいは菌糸の活動に対しマイナス要因として働く可能性があります。
どこでバランスをとるか?まだまだ検討の余地があると思っています。

せっかくなので、今日はひとつおもしろい現象を紹介します。
ボトル内の通気性を最大によくするには、フタを外すのが一番です。
ちなみに前回紹介した800ボトルの場合を例に取ると、安定状態で底部酸素濃度18.0%のボトルのフタを外し24時間経過すると19.5~20.0%まで上昇することを確認しています。
実際にビン交換時の手順を紹介するWeb情報の中には「ビン交換直後から幼虫が落ち着くまでの2~3日はフタをせずにティッシュなどで覆い通気性を確保する」旨の記載を見かけることがあります。
このWeb情報は一見理にかなっているように思えますが、私は疑問を持っています。
なぜかと言うと、再びフタをした後に急激に定常状態以下までボトル内酸素濃度が低下するためです。
フタを外して酸素濃度19.5%以上になったボトルに再びフタをして24時間後に測定してみたことがあります。
驚くことに16.5%まで低下していました。
そのタイミングでしか確認していないため、もっと低値を示すタイミングがあるかもしれません。
この現象は、フタを外すことで酸素が多く供給され、菌糸は活性化しその酸素量に見合った活動を行うようになり、ボトル内の酸素消費量が増大しているところにフタをしたためではないかと推察しています。

以上の結果から、ビン交換直後にフタを外して通気性をよくする手法は、必ずも幼虫にとってよいこととは言えないのではないか・・・と疑問に思います。
しかし、上記手法による一時的なボトル内酸素濃度低下が幼虫に悪影響を及ぼしているかどうかも証明できていないため、明言も避けたいと思います。

余談となりますが、ボトル内酸素供給に関する一般的な思考の中に「微粒子菌床より粗いオガの菌床の方が通気性がよい」と言うものがあります。
果たしてそうでしょうか?
確かにボトルに詰めてしばらくの間は、粗目の方が通気性はよいことを確認できています。
しかし、時間が経過すると差はなくなってきます。
おそらく、オガとオガの空間を菌糸が埋めることで通気性が悪くなるのではないでしょうか?
これらの例からもわかるように、オオクワ飼育の手順の中にもまだまだ根拠に乏しい情報があるのではないでしょうか・・・。

本日までボトル内部の酸素濃度にスポットを当てて論じて来ましたが、オオクワ幼虫飼育におけるボトル内部の環境整備は、重要な項目と考えています。
しかし、プラス要因とマイナス要因をどこでバランスをとり、最高の飼育法に結びつけて行くためには、まだまだ研究の余地が残されています。

今回は幼虫を投入していない状態でのデータであり、幼虫が居ればまた違った結果となる可能性があります。
そのため、私の今回の実験も適正かどうか疑問ですが、今回のアプローチがより真実に近づけるキッカケとなれば幸いです。
ここを読まれたブリーダーのみなさんが、当たり前と思うような手法や現象に疑問を持ち、より優れた飼育法を発見されることに期待します。

ボトル内部の酸素濃度については今回で終了し、次回はそれを取り巻く環境の酸素濃度について考えてみますが、結論すれば日常空間の21%をめざせばよいのではないでしょうか・・・。
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[ 2018/10/16 06:05 ] 観察&考察 | TB(-) | CM(-)
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